最近、「検索順位は変わっていないのに、以前ほどサイトへのアクセスが増えない」といった相談をいただくことが増えました。
背景にあるのが、Googleの検索結果の上部にAIが要約を表示する「AI Overviews」や、対話形式で調べものができる「AIモード」の広がりです。
ユーザーがサイトを訪れる前に答えを得られるようになった今、「AIの回答の中で自社が紹介されるか」も問われるようになりました。
本記事では、その対策として注目されるAIO・LLMOの基本と、今日から取り組めることを整理します。
生成AI検索の登場で、何が変わったのか

AI Overviews(AIによる概要)は、Google検索結果の一番上にAIがまとめた回答を表示する機能です。
さらに2025年9月には、対話しながら深掘りできる「AIモード」の日本語提供も始まりました。
AIモードは、ひとつの質問を複数の小さな問いに分けて裏側で検索する「クエリファンアウト」という仕組みを使っており、初期のユーザーは従来の2〜3倍の長さの質問をしていたとGoogleは説明しています。
出典:https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/ai-mode-search/
こうした変化は、サイトへのアクセスにも表れています。
SEOツールを提供するAhrefsの調査では、情報収集型のキーワードでAI Overviewsが表示された場合、日本の検索1位ページのクリック率は、AIがなければ見込めた水準より62.7%低くなっていました(2026年6月時点)。
半年前の同じ調査では約38%だったので、影響はむしろ広がっています。
出典:https://ahrefs.com/ja/blog/ai-overviews-reduce-clicks-june-2026/
Googleは、AI機能の回答にも関連リンクを表示しており、これまで見つけてもらえなかったサイトが見つかる機会にもなるとしています。
これからは「検索結果でクリックされるか」だけでなく、「AIによる回答を通じて自社サイトが参照されるか」という視点も重要です。
AIO・LLMOとは?従来のSEOとの関係

AIO(AI最適化)やLLMO(大規模言語モデル最適化)は、AIによる回答の中で自社の情報が適切に扱われることを目指す取り組みです。LLMとは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIで使われている、大量の文章データを学習した言語モデルを指します。
他にも、GEO(生成エンジン最適化)やAEO(回答エンジン最適化)といった言葉があります。これらは明確に定義が統一されているわけではありませんが、AIによる回答で情報を見つけてもらうための取り組みという点では共通する部分があります。
では、SEO(検索エンジン最適化)とは別の対策が必要なのでしょうか。
Googleは2026年5月に公開した生成AI検索向けの公式ガイドで、AI機能は検索の中核となるランキングの仕組みに根差しているため、SEOのベストプラクティスは引き続き有効だと説明しています。
AI検索だからといって特別な裏技を探すのではなく、まずはSEOの基本を丁寧に整えることが重要です。
なお、ChatGPTなどGoogle以外のAIサービスは仕組みが異なるため、それぞれの特徴を踏まえて考える必要があります。
今日から始められるAIO・LLMO対策の基本

具体的に何から手をつければよいかを、3つの観点で整理します。
特別な施策を追加するというよりも、ユーザーにとって分かりやすく、信頼できる情報を提供し、検索エンジンがページの内容を正しく理解できる状態を整えることが基本です。
読者に伝わる構成を整える
Googleは、段落やセクションに分け、内容がひと目でわかる見出しを付けるなど、読者が理解しやすい構成を勧めています。例えば「〇〇とは」という見出しのすぐ後に一言で答えを書き、そのあとで詳しく説明しましょう。
忙しい読者にとって読みやすい構成にすることは、結果として検索エンジンがページの内容を理解するうえでも役立ちます。
一次情報と信頼性(E-E-A-T)を示す
E-E-A-Tとは、経験(Experience)、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)の頭文字で、Googleがコンテンツの質を考えるうえでの重要な考え方です。
なかでも信頼性は、E-E-A-Tを考えるうえで重要な要素とされています。
AIによる回答では複数の情報源が参照されるため、一般的な情報だけでなく、自社の導入事例や現場で得た数字、担当者ならではの知見など、そのサイトならではの情報を盛り込むことが差別化につながります。
誰が、どんな経験や知識をもとに書いたのかを明記することも、情報の信頼性を伝える方法の一つです。
技術面の土台を整える
AIの回答で参照元として扱われるためには、まずページが検索エンジンから認識され、インデックスされていることが前提となります。
Googleの巡回プログラムであるGooglebotが、robots.txtやCDN(コンテンツを高速に配信する仕組み)の設定によってページへのアクセスを妨げられていないか、またページが正常に表示されるかを、Search Consoleなどを使って確認しておきましょう。
構造化データは、生成AI検索に対応するために必須というわけではありません。ただし、正しく実装することで検索結果のリッチリザルトの対象となる場合があるため、SEOの観点では引き続き活用する価値があります。
また、ページの表示速度やスマートフォンでの見やすさなど、ユーザーが快適に閲覧できる環境を整えることも大切です。